患者さんにいい看護を提供するには、患者さんと信頼関係を築くことが何よりも重要です。
しかし日々の業務が忙しく、患者さんとうまく信頼関係が築きあげることができないことも多いのではないでしょうか?
患者さんと信頼関係を築く基本的な方法と、コミュニケーションのテクニックについてご紹介していきます。
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コミュニケーションの基本はあいさつです。特に病棟では24時間体制で絶え間なく看護師がいる状況です。
入院患者さんはいつの間にか担当してくれている看護師が変わっていることもあり、戸惑いを感じることもあります。
必ず、勤務の一番はじめに病室に訪問した際には「今から担当します○○です」とあいさつをしていきましょう。
簡単なことのように思いますが、忙しいとバタバタと過ごしてしまい、あいさつさずにケアをすることも多いと思います。
忘れてしまいがちですが、忙しくても勤務のはじめに訪室した際にはきちんとあいさつをしましょう。
看護師は患者さんから様々な情報を収集して必要な看護を考えていきます。そのため患者さんの訴えはとても重要な情報です。
入院後病歴や症状など情報収集をする際に、記録ばかりを見てしまし、患者さんの目を見て話を聞いていない看護師も多いのではないのでしょうか。
患者さんが話すペースや合間、表情などの情報も重要な情報となることもありますので、しっかりを目を見て話を聞きましょう。
看護師が患者さんと接するときに砕けた話し方をすることがあります。
これは緊張している患者さんの緊張をほぐすために有効かもしれません。
しかし入院患者のほとんどが高齢者で、ケアを提供する看護師よりうんと人生の先輩であることがほとんどです。
初めて接する入院患者さんにいきなり砕けた話し方をするのは、マナー違反です。
きちんとした言葉遣いで患者さんと接するようにしましょう。
社会人として当たり前のこと、コミュニケーションの基本としてご紹介してきましたが、ここからは看護に有用なコミュニケーションテクニックをご紹介していきます。
人間は言葉を使ってコミュニケーションをとりますが、言語で伝えている情報は全体の2割で、8割は言葉以外の非言語コミュニケーションで伝えているといわれています。
非言語コミュニケーションとは、顔の表情、顔色、視線、身振り手振り、体の姿勢、相手との距離などによって伝えています。
意識的に伝えていることもあれば、無意識に伝わっている情報もあります。
非言語コミュニケーションを意識して患者さんをかかわることで、より信頼関係を築くことができます。
スキンシップも信頼関係を築く上で有効です。看護師は患者さんに触れる機会も多いです。このスキンシップを上手に活用して患者さんとの信頼関係に活かしていきましょう。
いきなり近づいて触れると、警戒心をもたれてしまします。患者さんに触れるときは声をかけてから触れるようにしましょう。
また、患者さんに触れる際に、手は冷たすぎないか気を付けてみて下さい。
冷たい手で触れられることで、緊張してしまうこともあります。患者さんに触れるケアを行うときは、事前にホットタオルやお湯で少し手を温めてから行うようにしましょう。
患者さんに直接触れる機会の多い手は、なるべく荒れないようにしておくと、スキンシップがより有効になります。
しかし、手を酷使する仕事ですので手荒れは避けれませんが、ケアの前に温め、ハンドクリームで保湿することで少し改善されます。
とは言え、手を温めることやハンドクリームを塗ることは余裕がないとできないかもしれません。余裕がある時に試してみてはいかがでしょうか。
傾聴とは聞き方の技術で、相手の話を『聴き』相手に『共感』し、相手を『受容』することです。
人は本来話を聞いてもらいたいものです。自分の話を一生懸命聴いてくれる人には信頼を寄せるようになります。
患者さんの話を傾聴して、信頼関係を築くポイントを紹介していきます。
まずは患者さんの話を聞くのがメインです。自分は三割程度しか話さないイメージで患者さんにたくさん話してもらうようにしましょう。
たくさん話してもらうためには、患者さんの話を遮らないようにしましょう。相手の話が終わるまでは話すことはせず、最後まで話を聞きましょう。安心して話せるように否定せず、話の腰を折るようなことはしないでおきましょう。
またたくさん話してもらうためには 、しっかり聴いているということを伝える必要があります。その時に有効になってくるのが相槌です。「そうですね」と言葉を発するだけでなく、うなずくだけでも十分聴いていると伝えることができます。適当にうなずくのではなく、しっかりと話を聴きうなずいていきましょう。
たくさん話してくれる患者さんもいますが、自分のことを話すのが苦手な患者さんもいます。
そんな話が苦手な患者さんには無理に話を進める必要はありません。沈黙も重要なコミュニケーションですので、相手のペースで話せるように待つ姿勢も大切です。
いろいろと患者さんが話してくれた後、つい助言をしたくなりがちですがアドバイスはせずに、ただ聴いて共感してください。
患者さんと信頼関係を築くことはとても難しいことかもしれません。
コミュニケーションテクニックや傾聴の方法を紹介 しましたが、何より大切なことは患者さんのことを知りたい、患者さんのために看護を提供したいと心から思い接することです。
患者さんと信頼関係を築き、いい看護が提供できるようにコミュニケーションスキルに磨きをかけてください。